発行元:株式会社CWM総合経営研究所(経営革新等支援機関)
テーマ1.「中小企業の『攻めの経営』を応援! 「経営力向上計画」で設備投資を後押し!!」
■ 経営力向上計画とは? ━━━━━・・・・・‥‥‥………
税制優遇など、設備投資や生産性向上に取り組む中小企業を国が後押しします!
中小企業・小規模事業者が「経営力=稼ぐ力」を高めるための取り組みを国が支援する制度。
生産性向上や設備投資などの計画を立て、所管大臣の認定を受けることで各種支援措置を受けることができます。
また、計画申請においては経営革新等支援機関のサポートを受けることが可能です。
■ 制度活用の主な3つのメリット ━━━━━・・・・・‥‥‥………
【1:税制措置】
法人税の即時償却または税額控除が可能となります。
中小企業経営強化税制(法人税 所得税)の活用により、即時償却又は最大で10%の税額控除が可能です。
法人税・所得税の納付額を抑えられることが見込めます。
<指定期間>
平成29年4月1日から令和9年3月31日までの期間
<利用できる方>
資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
協同組合等
<設備の概要>
A類型(生産性工場設備)
生産性が旧モデル比年平均1%以上向上
B類型(収益力強化設備)
投資利益率7%以上のパッケージ投資
D類型(経営資源集約化設備)
修正ROA(総資産利益率)または有形固定資産回転率が一定以上上昇する設備
【2:金融支援】
融資や信用保証などの支援措置により、資金調達がスムーズに。
日本政策金融公庫による融資等様々な支援が受けられます。
納付税額を抑えることに加え、事業を拡大する際に有効です。
【3:法的支援】
事業継承などに関する法的な特例措置を受けられます。
他者から事業を承継するために土地・建物を取得する場合、不動産取得税の軽減措置を利用することが可能です。
■ 2025年4月1日以降の変更点 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
2025年4月1日より、経営力向上計画の申請に関する柔軟な取扱い(工業会証明書(A類型)、
経産局確認書(B・C類型)の申請手続と同時並行で、計画認定に係る審査を行うことを可能とする特例。)
が終了となっております。
■ 計画策定 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
(1)制度の利用を検討、事前確認・準備
(2)経営力向上計画の策定
(3)経営力向上計画の申請・認定
(4)経営力向上計画の開始、取組の実行
■ 申請方法(郵送または電子申請が可能です) ━━━━━・・・・・‥‥‥………
【郵送にて申請の場合】
(1)経営力向上計画申請プラットフォームで申請書を作成
(2)PDFで出力
(3)郵送にて送付
【電子申請の場合】
(1)経営力向上計画申請 プラットフォームで申請書を作成
(2)電子申請を行う
\電子申請がオススメ!メリットがたくさんあります!/
紙申請よりも認定までの期間が短縮!
申請書作成においてエラーチェック
自動計算などのサポート機能付き
■ さいごに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
メリットがたくさんの経営力向上計画!ぜひ策定して税制や金融支援等を受けましょう!
⇒【2025年7月号①】経営力向上計画.pdf
テーマ2.「中小企業を取り巻く事業承継の現状と計画的な取組の必要性」
■ 事業承継とは? ━━━━━・・・・・‥‥‥………
事業承継とは、“現経営者から後継者へ事業のバトンタッチ”を行うことですが、企業がこれまで培って
きたさまざまな財産(人・物・金・知的資産)を上手に引き継ぎ、承継後の経営を安定させるために重要です。
■ 事業継承の現状 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
中小企業の休廃業・解散は年間約4万件と高水準で推移し、経営者の高齢化も進んでいます。
代表者の多くが60歳以上となっており、事業承継の遅れは、雇用や技術の喪失といった深刻な課題につながっています。
▼詳しくはこちら
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
「中小企業経営者のための事業承継対策」 https://fmltd.link/NBrFd
■ 早めの取組が必要 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
経営者が70歳以上の企業でも、後継者が未定または了承を得ていないケースが3割超あり、
事業承継の準備が進んでいないのが現状です。
税や親族間の問題に加え、経営力や関係性、ノウハウなど“見えにくい資産”の承継も大きな課題です。
これらの引き継ぎには時間がかかるため、計画的かつ早期の取組と、承継後も支援できる体制づくりが重要です。
■ 計画的に事業承継に取り組まないと… ━━━━━・・・・・‥‥‥………
【CASE1】
事業承継の準備をしないまま経営者の判断能力が低下したケース
創業者A(食品製造・販売業の創業者)は数年前から判断能力が低下。
共同経営者B(Aの弟で、現在は代表取締役)も体調を崩し退任を望むが、親族内に後継者が不在。
業績は悪化し、Aが連帯保証していた債務が個人資産を上回る状態に。
Aの相続人に多額の債務が残る可能性が生じている。
<POINT!>
事業承継の準備を怠ったことで、経営の継続が困難になったケース。
後継者不在が予想される場合は、早期に親族外承継も含めた対策が必要。
【CASE2】
自社の魅力を後継者に承継できず取引先との友好な関係を築けていないケース
創業者C(機械製造業のオーナー)は、長男D(Cの長男。後継者として取締役に就任して久しい)を
取締役に就任させたが、製品へのこだわりや魅力が十分に伝わっていないと感じている。
Dは取引先との関係構築にも消極的で、Cは今後も顧客の期待に応え続けられるか不安を抱いている。
<POINT!>
後継者に会社の強みや思いが伝わらず、取引先との信頼関係が築けていない事例。
現経営者が後継者と対話を重ね、事業や自社の価値を共有する機会を持つことが重要。
■ さいごに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
事業承継では知的資産の引き継ぎが重要で、時間をかけた準備が不可欠です。
現経営者と後継者が早期に対話を始め、知的資産を見える化することで、円滑な承継と会社の魅力向上に繋げましょう!
⇒【2025年7月号②】中小企業を取り巻く事業承継の現状.pdf