チャレンジ!一度きりの人生
【創業編コラム】

創業編コラム「チャレンジ!一度きりの人生」

新しく生まれる会社の生存率は?

創業を前にして、あなたの会社の事業計画書は完成しましたか。

このタイミングで冷や水を浴びせるような話ですが、会社が生き残ることができる確率はどれぐらいだと思いますか?

これにはさまざまな統計があり、10年生存率はわずか3%から4%というものもあります。

信頼性が高いとされる中小企業庁の統計だとここまで厳しい数字ではありませんが、それでも36%と全体の3分の1程度でしかありません。

そのような世界に飛び込もうとしているあなたは、勇気あるチャレンジャーです!

成功者となるための3つの鍵

では10年後に残り3分の2の脱落者になることなく、成功しているためには何をしたらいいでしょうか?

500名以上の成功者を調査して、全世界で7000万部を超える大ベストセラー『思考は現実化する』を著したナポレオン・
ヒルは、成功するために必要な3つの鍵を挙げています。

◆第1の鍵は明確な目標を持つことと、その目標を紙に書き出すことです。

経営者になれば、誰でも売上を増やしたいと思うでしょう。

しかし、ただ漠然と「売上を増やす」ことをめざすだけでは、掲げるべき目標としては不十分です。

「前期よりも20%売上を伸ばす」あるいは「今期は1年間の売上が1億円を突破する」のように、明確な目標を持つことが大切です。

こうすると、あなたの会社がどこを目指すかが明らかになり、そのためには何をするべきかも見えてきます。

そして目標を決めたら、必ず紙に書き出します。

頭の中で思っているだけでなく、実際に書き出すことで自分自身の思考が対象化されます。

それを繰り返し目にするたびに、目標はあなたの潜在意識に働きかけ、あなたは目標に向かって具体的な行動をとり始めます。

目標を掲げた人のうち、それを紙に書いている人はわずか5%、さらに毎日そのために行動している人は3%しかいないといい
ます。

目標を書き出すことは、思考が現実化する第一歩といえるのです。

◆第2の鍵は、得意分野を持つ複数の協力者を見つけることです。

ナポレオン・ヒルが成功者の調査を始めたのは、米国の鉄鋼王と呼ばれた実業家のカーネギーに勧められたことがきっかけでした。

そのカーネギーは、鉄鋼についての知識はほとんどなく、多くの専門家の助言を聞くことで押しも押されもせぬ成功者となったのです。

成功する人は、有能な協力者を数多く見つけ出しています。

ナポレオン・ヒルはこのことを「マスターマインド」という言葉で表しました。

言い換えれば「明確な目標を達成するための、複数の人たちとの知恵、知識、努力の協力関係」です。

有能な協力者を見つけることで、あなたは自分が本来持つ力の何倍ものことができるようになるのです。

◆第3の鍵は、信念を持つことです。

インドの独立の父と称されるマハトマ・ガンジーは、「祖国の独立」という信念を持ち、その信念によって極めて困難と思われていた英国からの独立を実現させました。

彼の信念が2億人のインド人の心を動かし、ひとつの目標に向かわせたのです。

そもそも目標には、始めから形などありません。

それを現実のものとするのが、揺らぐことのない信念の力です。

大事な利益をどう残すか?

大きな志を持って出発し、目標、協力者、信念を持つことができたとしても、会社はそれだけで生き残ることはできません。

これらに加えて必要となるのが「マネー」です。

マネーとは、会社が使うことができるお金であり、それが会社を大きく育てる資金となります。

そのために売上を伸ばし、利益を増やす必要があるのです。

社長であるあなたは、会計の数字に慣れ親しみ、会社に入ってきて出て行くお金の流れを把握しなければなりません。

そしてマネーを得たなら、その効果的な使い途を考えてください。マネーは得るよりもいかに使うかの方がより大切で、また
難しいといえます。

もう一つ重要なことがあります。

それは利益と税金の関係です。税金は利益の中から出て行くお金です。

法人税だけでも、利益の40%が会社の外に出て行きます。

マネーを確保しようとすれば、節税に敏感にならざるを得ないのです。

税金には、法律を遵守する世界と、明らかな脱税になってしまう世界、その間のグレーゾーンが存在します。

グレーゾーンとは、解釈のしかたや運用しだいで税務署に否認されることもあれば、認められることもあるという世界です。

会社の税金に通じ経験を積んだ税理士や税理士事務所は、制度を適切に利用しながら「脱税」することなくきちんと「節税」する方法を知っています。

ただでさえ忙しい社長が、そこまで勉強する余裕はありません。

会計に詳しくなるために、また大事な利益を確保するために、親身になって相談に乗ってくれる専門家が必要です。

一度きりの人生です。せっかく勇気をもって始めたあなたのチャレンジを失敗に終わらせてはなりません。

そのために、一人ではできない部分をカバーするパートナーを見つけましょう。

役員報酬の決め方

役員報酬をいくらにするかは、社長が自分で決めることができます。

役員報酬を多くすると、その分会社の利益は減ります。

役員報酬額は、原則1年間の事業年度を通して一定額でなければなりません。

◆税金面で有利な役員報酬額は?

税金の面から見ると、会社の利益には法人税が、役員報酬に対しては所得税と住民税がかかります。

両方の税金の合計が最も少なくなる役員報酬の額を設定できると、節税という観点では有利です。

経営者とその配偶者が同一法人の役員である場合は、役員報酬の配分に注意しましょう。

役員報酬にかかる所得税は累進税率が採用されているため、ある一定の報酬額を超えると、所得税額が大幅に増加してしまう
ケースがあるからです。

節税だけを根拠にして役員報酬を決める必要はありませんが、税金がいくらになるかについても配慮するようにします。

業種の決め方

定款に記載する事業目的は、総務省が定める日本標準産業分類に従って決めるといいでしょう。

大分類は次の通りです。

A 農業,林業
B 漁業
C 鉱業,採石業,砂利採取業
D 建設業
E 製造業
F 電気・ガス・熱供給・水道業
G 情報通信業
H 運輸業,郵便業
I 卸売業,小売業
J 金融業,保険業
K 不動産業,物品賃貸業
L 学術研究,専門・技術サービス業
M 宿泊業,飲食サービス業
N 生活関連サービス業,娯楽業
O 教育,学習支援業
P 医療,福祉
Q 複合サービス事業
R サービス業(他に分類されないもの)
S 公務(他に分類されるものを除く)
T 分類不能の産業

たとえば大分類Iの「卸売業,小売業」の中分類は次のようになります。

50 各種商品卸売業
51 繊維・衣服等卸売業
52 飲食料品卸売業
53 建築材料,鉱物・金属材料等卸売業
54 機械器具卸売業
55 その他の卸売業
56 各種商品小売業
57 織物・衣服・身の回り品小売業
58 飲食料品小売業
59 機械器具小売業
60 その他の小売業
61 無店舗小売業

中分類「58 飲食料品小売業」の小分類はこのようになっています。

580 管理、補助的経済活動を行う事務所(58飲料品小売業)
581 各種食料品小売業
582 野菜・果実小売業
583 食肉小売業
584 鮮魚小売業
585 酒小売業
586 菓子・パン小売業
589 その他の飲食料品小売業

詳しくは、総務省のホームページ
http://www.stat.go.jp〉を参照して
ください。

起業後、会計で問題になることは?

会社を始めてから会計や税金については何をすればいいのかと、心配している人が多いと思います。

ここでは、必要となる業務などのポイントを挙げておきました。

社長が知っておくべき実務については、税理士のアドバイスを受けながら実地で覚えていくといいでしょう。

◆よく問題となるのは……

・経費の扱い
 経費になるかどうかの判断基準を知る
 間違いやすい経費(交際費と会議費、立替金、飲食代など)
 ※税制改正で判断基準が変わることもある

・領収書類の保管
・日々の記帳
・月次決算、年次決算
・税務調査

・経費の扱い
 経費になるかどうかの判断基準を知る
 間違いやすい経費(交際費と会議費、
 立替金、飲食代など)
 ※税制改正で判断基準が変わることも
 ある

・領収書類の保管
・日々の記帳
・月次決算、年次決算
・税務調査

基本的には、領収書類の保管や記帳をきちんとしていれば、決算の手順に誤りがない限り、税務調査が入っても問題になることはありません。

記帳にご不安がある場合は、会計事務所に任せることもご検討ください。