発行元:株式会社CWM総合経営研究所(経営革新等支援機関)
テーマ1.「枠組みが増え要件が緩和!使い勝手がよくなった事業再構築補助金」
■ 事業再構築補助金とは ━━━━━・・・・・‥‥‥………
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、
ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために
新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた
規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援します。
また、事業再構築を通じて事業規模を拡大し、中小企業者等から中堅・大企業等に
成長することや、中堅企業等が海外展開を強化し市場の新規開拓を行うことで
高い成長率を実現することは特に重要であることから、
本事業ではこれらを志向する企業をより一層強力に支援します。
■第10回公募以降の概要(2023年4月以降公募開始) ━━━━━・・・・・‥‥‥………
【業況が厳しい事業者向け】
類 型:最低賃金枠
対 象:最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な
特に業況の厳しい事業者向け
補助上限:最大1,500万円
補 助 率:3/4
【業況が厳しい事業者向け】
類 型:物価高騰対策・回復再生応援枠
対 象:業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者向け
補助上限:最大3,000万円
補 助 率:2/3(一部3/4)
類 型:産業構造転換枠(NEW!)
対 象:国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者向け
補助上限:最大7,000万円
補 助 率:2/3
【賃上げ等へのインセンティブ】
類 型:成長枠(NEW!)
対 象:成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者向け
補助上限: 最大7,000万円
補 助 率:1/2(大規模賃上げ達成で2/3へ引き上げ)
大規模賃上げ要件:事業終了時点で ①給与支給総額+6%以上、
②事業場内最低賃金+45円
⇒大規模賃金引上:上限3000万円上乗せ
中小企業等からの卒業:上限を2倍に引き上げ
【賃上げ等へのインセンティブ】
類 型:グリーン成長枠
対 象:研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略
「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者向け
補助上限: エントリー最大8,000万円(中堅1億円)、スタンダード1億円(中堅1.5億円)
補 助 率:1/2(大規模賃上げ達成で2/3へ引き上げ)
大規模賃上げ要件:事業終了時点で ①給与支給総額+6%以上、
②事業場内最低賃金+45円
⇒大規模賃金引上:上限3000万円上乗せ
中小企業等からの卒業:上限を2倍に引き上げ
類 型:サプライチェーン強靱化枠(NEW!)
対 象:海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化
及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者向け業況が厳しい事業者や
事業再生に取り組む事業者向け
補助上限:最大5億円
補 助 率:1/2
■ 第10回事業再構築補助金のポイント ━━━━━・・・・・‥‥‥………
\枠組みが増えて各種要件が緩和されることで、使い勝手がよくなります/
1.成長枠(旧通常枠)の売上高減少要件が撤廃される
コロナ以前に比べて所定の割合だけ売上高が減少していることが、応募の要件と
なっていましたが新しい成長枠では売上高が減少要件がなくなるため、
売上高が減少している企業でなくても申し込める
2.グリーン成長枠の要件が緩和されて使い勝手が向上
温暖化への対応を意識した事業再構築を目指す「グリーン成長枠」は、
要件が緩和されて使い勝手が良くなり、従来の要件を「スタンダード」
としたうえで、要件の緩い「エントリー」という類型が新設
3.大幅賃上げ・規模拡大でインセンティブがある
賃上げと成長に関する上乗せ枠「大規模賃金引上促進枠」と「卒業促進枠」が
設けられる大規模賃金引上促進枠では、事業場内最低賃金の年額45円以上の
賃上げ等を達成することで3,000万円の補助が上乗せ
4.廃業費も出る産業構造転換枠の創設
国内市場の縮小といった産業構造の変化などにより、事業再構築の必要性が高い
業種・業態の事業者に対しては、新たに「産業構造転換枠」が設けられます。
産業構造転換枠は、成長枠と比べて補助率が高く、廃業を伴う場合に
最大2,000万円の廃業費が上乗せ
5.最大5億円のサプライチェーン強靭化枠の創設
部品製造等の国内回帰を進め、国内におけるサプライチェーンの強化と地域産業の
活性化に取り組む製造業者に、「サプライチェーン強靭化枠」が新設されます。
サプライチェーン強靭化枠の補助金額は、ほかの枠よりとりわけ大きい最大5億円
6.過去に採択された事業者の2回目の申請が一部可能に
1事業者につき1採択の原則をとってきましたが、10回目以降は、グリーン成長枠と
サプライチェーン強靭化枠について、2度の申請・採択が認められるようになります
7.事前着手制度の対象期間の見直し等
補助金の交付が決まる前から事業に着手できる事前着手承認制度については、
対象期間が見直し予定。活用できる事業類型は、最低賃金枠、物価高騰対策・
回復再生応援枠・サプライチェーン強靭化枠に限定
■ さいごに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
これまで申請を考えてこなかった方も活用をご検討ください。
また一部の枠組みについては、2回目の申請・採択も認められますので
過去に採択を受けたことがある方も、再度の利用を考えてみましょう!
『ウチの会社はどの類型で申請すればいいの?』とご不明点などございましたら、
お気軽に㈱CWM総合経営研究所(経営革新等支援機関)まで一度ご相談ください!
https://r3.jizokukahojokin.info/
⇒【2023年4月号①】事業再構築補助金.pdf
テーマ2.「設備投資を検討したらまずは税制の確認を!中小企業経営強化税制」
■ 中小企業経営強化税制とは ━━━━━・・・・・‥‥‥………
青色申告書を提出する中小企業者等が、令和5年3月31日までの期間に、認定を受けた
経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、
即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の
税額控除を選択適用することができます。
■制度概要 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
中小企業経営強化税制の一部が見直され、適用期限が令和7年3月31日まで2年延長!
~見直し(改定案)~
対象設備からコインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産で、
その管理のおおむね全部を他の者に委託するもの※は除外
(※中小企業経営強化税制は暗号資産マイニング業も同様のものを除外)
<設備の種類(価格要件)>
機械装置(160万円以上)
ソフトウェア(70万円以上)
器具備品・工具(30万円以上)
建物附属設備(60万円以上)
↓
支援措置(国税)
【中小企業経営強化税制】
法人税(個人事業主の場合には所得税)について、即時償却又は税額控除最大10%
(※資本金3000万円超の中小企業者等の税額控除率は7%)
・生産性向上設備(A類型)
生産性が旧モデル比年平均1%以上向上する設備
・収益性強化設備(B類型)
投資収益率5%以上の投資計画に係る設備
・デジタル化設備(C類型)
可視化、遠隔操作、自動制御化のいずれかに該当する設備
・経営資源集約化設備(D類型)
修正ROAまたは有形固定資産回転率が一定割合以上の投資計画に係る設備
■ 適用されるための3つの条件 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
1.適用には経営力向上計画の策定が必要
2.中小企業者であること
・資本金額または出資金額が1億円以下の法人
・資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人など
3.対象となる事業内容の確認
(電気業、熱供給業、水道業、娯楽業(映画業を除く)などは対象外)
※経営力向上計画とは?
中小企業・小規模事業者等は、業種の特性を踏まえつつ、顧客データの分析を通じた
商品・サービスの見直し、ITを活用した財務管理の高度化、人材育成、設備投資等により
経営力を向上して実施する事業計画について、国の認定を得ることができます。
■ 受けられる税制措置は? ━━━━━・・・・・‥‥‥………
それぞれ条件を満たした設備について、必要な書類を揃えて申請し、中小企業等経営強化法
の認定を受けた経営力向上計画が認定された上で税金の申請をすると、法人税(個人事業主
の場合は所得税)について、次の二つのどちらかの優遇を選んで受けることができます。
即時償却と税額控除はどちらを選ぶといいの?
<即時償却>
メリット:短期的に大きな節税効果が得られる
デメリット:支払う税額そのものは変わらない
<税額控除>
メリット:長期的な節税効果がある・支払う総税額が減る
デメリット:すぐに節税効果を得られない
■ さいごに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
中小企業経営強化税制による優遇を受けられると常に大きなメリットがありますので
設備投資を行う際は、積極的に検討しましょう。
⇒【2023年4月号②】中小企業経営強化税制.pdf