医療保険制度改革、世代内、世代間の公平性について議論《厚生労働省》

2025年 12月 24日

厚生労働省は10月23日、社会保障審議会・医療保険部会にて医療保険制度改革等について議論を行った。

 同部会では、医療保険制度改革の進め方について、これまで、我が国は世界に誇るべき国民皆保険を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた背景があるが、この成果を次世代にも継承していくために、中長期的な視点で目指すべき方向性を踏まえた上で、医療保険制度について社会・経済環境の変化に応じた必要な改革を積み重ねていくことが必要とし、特に、日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価や賃金の上昇、人口構造の変化や人口減少を踏まえた医療需要の変化や人材の確保、現役世代の負担の抑制努力の必要性を踏まえた対応が、喫緊の課題としている。

医療保険制度の見直しについては、具体的な議論を進める際の「視点」として、

 ▼世代内、世代間の公平をより確保し全世代型社会保障の構築を一層進める視点、▼高度な医療を取り入れつつセーフティネット機能を確保し命を守る仕組みを持続可能とする視点、▼現役世代からの予防・健康づくりや出産等の次世代支援を進める視点、▼患者にとって必要な医療を提供しつつ、より効率的な給付とする視点 ――の4つが既に掲げられている。

この日の部会では、4つの視点のうち「世代内、世代間の公平の更なる確保による全世代型社会保障の構築の推進」を取り上げた。

 厚労省は、高齢者医療を巡る状況として、▼高齢者は一般的に、若年世代と比較し、所得が低い一方で医療費が高い傾向にあるとされているところ、窓口負担割合は、70~74歳は原則2割、75歳以上は原則1割。また、医療給付費は、後期高齢者について現役世代からの支援金と公費で約9割を賄うとともに、65歳~74歳について保険者間の財政調整を行う仕組みを設置、▼受診率は、高齢者を中心に特に入院において改善傾向。年齢階級別の一人当たり医療費・自己負担額では、高齢になるにつれ一人当たりの医療費は高くなるが、一人当たり自己負担額は60代後半をピークに70代以降は低く抑えられている、▼高齢者の医療給付は、介護のように一部の方が長期間利用するのではなく、多くの方が日常的に医療の給付を受ける傾向がある、▼年齢階級別収入では、50代前半をピークに年齢を重ねるにつれ低下。
 一方、高齢者を含む年齢階級別の所得は増加傾向であり、後期高齢者は所得の種類が多様化するとともに、特に給与所得や利子・配当所得が伸びている。また、高齢者の就業率も上昇傾向 ――等を挙げた。議論の視点として、▼高齢者の健康状態の変化、所得や経済環境の変化、医療サービスの利用特性等を踏まえつつ、年齢に関わらず負担能力に応じて負担するという全世代で支え合う仕組みの構築の観点、世代内での公平な負担の観点等から、高齢者医療における負担のあり方をどう考えるか、▼「現役並み所得」の判断基準については、2006年以降基準が見直されておらず、政府の「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」において、年齢に関わりなく、能力に応じて支え合うという観点から見直し等について検討を行うこととされているところ、現役世代の収入や社会保険料負担が上昇傾向であること等を踏まえ、そのあり方をどう考えるか ――の2点を問題提起した。医療保険制度改革に向けた議論、以降も具体的な課題について議論を重ね、年内にとりまとめるスケジュールとなっている。

PREV
「継続は力なり」 ~如何にして継続するか~
NEXT
アマルガム問題と医院での対応

totop

copyright2026 CWM Consulting Firm.