医療・介護分野の物価・賃金上昇に対応 《政府 骨太の方針2025、日本医師会》

2025年 9月 13日

政府は6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針2025)」
を閣議決定

社会保障関係費について、医療・介護等の現場の厳しい現状や税収等を含めた財政の状況を踏まえ、これまでの改革を通じた保険料負担の抑制努力も継続しつつ、経営の安定や現場で働く幅広い職種の方々の賃上げに確実につながるよう、的確な対応を行うとし、具体的には、高齢化による増加分に相当する伸びにこうした経済・物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算すると明記。社会保障関係費については注釈で、「社会保障関係費の伸びの要因として高齢化と高度化等が存在する」と記載した。

主要分野ごとの重要課題と取組方針の中に全世代型社会保障の構築を位置づけ、医療・介護・障害福祉等の公定価格の分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保がしっかり図られるよう、コストカット型からの転換を明確に図る方向性を打ち出した。

2026年度診療報酬改定をはじめとした必要な対応策につながるよう、2024年度診療報酬改定による処遇改善や経営状況などの実態を把握・検証し、2025年末までに結論が得られるよう検討を行うとした。

また、現役世代が急速に減少し、高齢者数がピークを迎える2040年頃を見据えた中長期的な時間軸も視野に入れ、現役世代の負担を軽減しつつ、年齢に関わりなく、能力に応じて負担し、個性を活かして支え合う「全世代型社会保障」の構築が不可欠と説明。

その上で、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」を踏まえ、医療・介護DXやICT、介護テクノロジー、ロボット・デジタルの実装やデータの二次利用の促進、特定行為研修を修了した看護師の活用等、生産性向上・省力化を実現し、職員の負担軽減や資質向上につなげるとともに、地域医療連携推進法人、社会福祉連携推進法人の活用や小規模事業者のネットワーク構築による経営の協働化・大規模化等を進める。

中長期的な医療提供体制の確保等に向けた方策として、2040年頃を見据え、医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上人口の増大や現役世代の減少に対応できるよう、コロナ後の受診行動の変化も踏まえ、質が高く効率的な医療提供体制を全国で確保する。

そのために、医療需要の変化を踏まえた病床数の適正化を進めつつ、かかりつけ医機能の発揮される制度整備、医療の機能分化・連携や医療・介護連携、救急医療体制確保、適切なオンライン診療の推進、減少傾向にある外科医師の支援、都道府県のガバナンス強化等を進めると言及。新たな地域医療構想、医師の地域間・診療科間偏在への対応、医師の適正配置への支援、妊娠・出産・産後の経済的負担軽減などについて方針を示した。

●日本医師会 引き算ではなく足し算の論理に

公益社団法人日本医師会の松本会長は6月18日に定例記者会見にて、骨太の方針2025について、歳出改革の中での「引き算」ではなく、物価・賃金対応分を「加算する」という「足し算」の論理となり、年末の予算編成における診療報酬改定に期待できる書きぶりになったとの見解を示した。

今後、夏の参議院選挙、秋の2025年度補正予算編成、年末に向けた2026年度診療報酬改定が極めて重要であるとの意向を表した。

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