お客様に「感動を与える仕事」をする ~先哲に学ぶ商売繁盛の極意~
■「感動を与える仕事」をする理由(わけ)
青島(ちんたお)ビール董事長、金志国氏は、「『顧客満足』が重要だと言われているが、経営のオペレーションが進化した現在では、お客様に『感動を与える』ことが求められている」と喝破しています。けだし当(まと)を得た発言であり、『顧客満足』とは、「望みが満ち足りて不満に思うことがないレベル」であり、『感動』とは、「深く物に感じて心を動かし、他人(ひと)にその『感動』したことを伝えなければいられない、言わば口から口へ情報が伝わるクチコミの世界」を指します。また、その中間には嬉しく思うという『喜ぶ』感情があるのです。
つまり、商売繁盛の極意、事業成功の秘訣は「お客様に満足を与える」ことから「お客様に喜びを与える」ことへ、さらに「お客様に感動を与える」水準まで仕事を進化させていかなければならないことになります。書家相田みつを先生は、「出逢い/そして感動/人間を動かし人間を変えてゆくものは/むずかしい理論や理屈じゃないんだなあ/感動が人間を動かし/出逢いが人間を変えてゆくんだなあ・・・」と言っています。私達は、心を持って心を掴む姿勢で物事にあたり、『感動』ある人生・仕事を実現するために、お客様に「感動を与える仕事」をする必要があるのです。
■「感動を与える仕事」をするには
1.お客様に喜んでいただく
京セラ名誉会長 稲盛和夫氏は、ビジネスで利益をあげる方法は、「お客様に喜んでいただく」こと以外にはないと言っています。ビジネスでの全ての行為は、この基本に基づき、お客様に、より多くの利益を齎(もたら)すことが重要で、このような考え方で経営をすれば、結果として自分の会社にも多くのビジネスを齎し、利益を呼び込むことになるのです。従って、自社の利益が出ていないのは、お客様へのお役立ちが十分出来ていないことを自覚する必要があるのです。
2.お客様の情報を捕え実現する
二宮尊徳は、商道の本意について「商業を営む者は、扱う商品にかかわらず総て世の音信(情報)をとらえ、かつそれを利益が出るように活用せねばならぬ。これをうまくやれるように念ずる対象を観世音と名付けたのだよ。観という字は、ただ肉眼で見るのではなくて、心の眼でよくよく見ることをいう字なんだ。このことをよくよく考えてみることだな。」と語っています。
私達、経営に従事するものは、「お客様が何を求めているのか」その音信を掴み、それを愚直なまで実現する努力をするところにあります。従って、寝ても覚めても、絶えずお客様が良くなることを考え実行する必要があるのです。
3.因果の道理を弁(わきま)える
釈尊が説いた仏教には、『因果応報説』があり、「過去における善悪の業(ごう)に応じて、現在における幸不幸の果報を生じ、現在の業に応じて未来の果報を生ずる。」と過去・現在・未来の三世(さんぜ)を通して考えることを教えています。それは、自然界も同様で、天地自然の真理があり、米を蒔けば米が生え、瓜(うり)の蔓(つる)に茄子(なす)がならない道理なのです。
つまり、私達が、現在(いま)、何を為すかによって、未来が確定するということなのです。この現実を自覚することが、より良い人生、そして素晴らしい仕事を成就する上で不可欠となるのです。