テーマ1.「人材採用・育成の助成金が充実!中小企業向け助成金を解説」
■ はじめに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
令和8年度厚生労働省予算案が発表され、一般会計の当初予算規模は前年を上回る
約35兆円となりました。厚生労働省の予算は、中小企業の賃上げなどを支援する助成金が多く、
申請を考えている経営者は早めの情報収集がおすすめです。
■ 令和8年度厚生労働省予算案における中小企業向け5つの重点 ━━━━━・・・・・‥‥‥………
令和8年度厚生労働省予算案は、一般会計で35兆433億円です。
令和7年度より7,369億円(2.1%)増額されました。
中小企業支援については、賃上げなど5つの項目に重点が置かれています。
賃上げ支援、非正規従業員への支援
リスキリング、ジョブ型人事、労働移動の円滑化
人材確保の支援
多様な人材の活躍促進と職場環境改善
女性の活躍推進
■ 中小企業向けの主な雇用関係助成金9つ ━━━━━・・・・・‥‥‥………
【業務改善助成金(拡充)】
生産性向上設備の導入と賃上げをセットで支援。
令和8年度は、賃上げコースが3区分(50円・70円・90円)へ変更されるほか、
対象事業場や助成率判定の基準(1,050円)見直し、募集時期の変更が予定されています。
【キャリアアップ助成金(拡充)】
非正規の正社員化や賃上げを支援。
正社員化コースは正社員化1名につき最大80万円(条件により異なる)に加え、
令和8年度は「情報開示加算(20万円)」新設が予定されています。
【人材開発支援助成金(拡充)】
職業訓練を支援。
令和8年度は、訓練を活かした投資を支援する「設備投資助成(助成率1/2・上限150万円)」新設、
さらに45歳以上のOJT+OFF-JTを支援する「中高年齢者実習型訓練」新設が予定されています。
【早期再就職支援等助成金】
<中途採用拡大コース>
中途採用計画を策定し、中途採用した従業員の賃金が採用前より、5%以上増える企業が対象。
助成上限額は1名あたり20万円(企業全体で賃上げの場合は10万円を加算)です。
【人材確保等支援助成金(拡充)】
<雇用管理制度・雇用環境整備コース>
賃金規定の見直し等の制度導入や、環境整備機器の購入を支援。
令和8年度は上乗せ要件の賃上げ幅について、従来の「5%以上」に加え
「3%以上」「7%以上」区分の新設が予定されています。
【65歳超雇用推進助成金(拡充)】
<65歳超継続雇用促進コース>
定年引上げ等に取り組む企業向け。
令和8年度は、66歳以上への引上げや継続雇用制度導入等に対する助成額を
大幅に引上げる予定とされています(具体額は今後の要領確認)。
【特定求職者雇用開発助成金】
中高年齢層や障がい者等をハローワーク経由で採用する企業が対象。
制度活用時は対象者要件・雇用形態要件の確認が重要です。
【両立支援等助成金(拡充)】
仕事と育児・介護の両立支援に取り組む企業向け。
令和8年度は「育休中等業務代替支援コース」で、育休中の新規雇用に対する助成が
最長1年以上・上限99万円へ引上げ予定とされています。
【働き方改革推進支援助成金(拡充)】
労働時間短縮等に取り組む企業向け。
令和8年度は、賃上げ+割増賃金率引上げを行う企業への「助成額の加算措置」を
拡充する予定とされています。
■ 建設業向け人材確保支援のポイント4つ ━━━━━・・・・・‥‥‥………
建設業については厚労省・国交省の連携施策が示され、支援の方向性は次のとおりです。
CCUS(建設キャリアアップシステム)活用
CCUS活用事業者を支援する方針。
ICT等の生産性向上支援
ICT導入は補助金活用も検討(例:ものづくり補助金等)。
人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)
CCUS登録者の賃金助成10%上乗せ措置を令和8年度末まで延長予定。
人材確保等支援助成金(若年者・女性に魅力ある職場づくり事業コース)
魅力発信〜入職・定着まで一体的取組を新たに助成対象とし、定着時の上乗せも予定
■ 申請前に押さえる「準備」のポイント ━━━━━・・・・・‥‥‥………
雇用関係助成金は、制度ごとに手続が多く、期日管理も重要です。
特に次の準備が効果的です。
<就業規則の見直し>
申請時に作成・変更・提出が必要となる制度が多い。
<共通要件と制度独自要件の確認>
見落とし防止のため、制度横断の要件も合わせて確認。
<計画〜支給までのスケジュール把握>
手続ごとに期限があるため、逆算して準備。
<賃上げ原資の確保策の検討>
値上げ・生産性向上投資など、賃上げ継続を前提に設計。
<投資資金は補助金も併用検討>
生産性向上投資に使える補助金も合わせて確認。
■ 最後に ━━━━━・・・・・‥‥‥………
令和8年度は賃上げ・人材確保に関する助成金が拡充見込みです。
就業規則や計画を整えたうえで、自社に合う制度を活用してみましょう!
⇒【2026年4月号①】令和8年度中小企業向け助成金.pdf
テーマ2.「補助金だけじゃない!中小企業支援制度の賢い活用法~GビズIDのログイン方法が変更されました~」
■ はじめに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
補助金申請などで使うGビズIDは、複数の行政サービスに共通で使える事業者向けIDです。
2025年12月17日から行政サービスへのログイン方法が変更されました。
今後の手続に備え、ポイントを整理します。
■ GビズIDのログイン方法が変更されました ━━━━━・・・・・‥‥‥………
2025年12月17日以降、GビズIDで行政サービス(e-Gov、Jグランツ等) に
ログインする際の認証が変更されています。これまでのSMSで受け取るワンタイムパスワード
方式は利用できなくなり、今後は次のいずれかでのログインが基本となります。
GビズIDアプリ認証:アプリで承認
メール認証:ワンタイムパスワード入力
※ アプリ認証を利用中の方
特に対応は不要。これまで通りログインできます。(追加でメールOTPを設定することも可能)。
※ SMS認証を設定中の方
SMSでは行政サービスにログインできなくなったため、アプリ認証または、メールワンタイム
パスワード認証のどちらかを設定する必要があります。
■ そもそもGビズIDとは? ━━━━━・・・・・‥‥‥………
GビズIDは法人・個人事業主向けの共通認証システムで、1つのアカウントで複数の
行政サービスを利用できます。
補助金申請や各種計画の認定申請、社会保険手続き、営業許可申請などをオンライン化でき、
対応サービスは年々拡大しています。電子申請は難しく感じても、
補助金申請には不可欠なため、この機会に理解を深めて活用していきましょう。
■ 電子申請のメリット ━━━━━・・・・・‥‥‥………
<いつでも・どこでも手続きできる>
インターネット経由なので、原則24時間365日、自宅や職場から申請できます。
(※メンテナンス等で停止する場合あり)
<時間やコストを削減できる>
役所へ行く移動時間・交通費が不要になり、郵送の切手代などもかかりません。
<情報入力の手間を減らせる>
企業概要や財務情報など、過去の申請で入力した情報を自動転記で再利用でき、
入力負担を軽減できます。
<押印(ハンコ)が不要になる>
ログイン時の認証機能で申請者確認を行うため、書類への押印が不要になります。
■ GビズIDでできること ━━━━━・・・・・‥‥‥………
いままでは法人・個人事業者の確認手段として電子証明書の取得(有料)が必要でした。
しかし、GビズIDを取得すること(無料)で、電子証明書がなしで電子申請が可能となります。
現在、GビズIDアカウントで利用できる行政サービスは拡大中であり、今後も広がる見込みです。
【利用可能行政サービス一覧】
jGrants(経済産業省・補助金申請システム)
デジタル化・AI導入補助金(経済産業省・中小企業庁・中小機構)
事業継続力強化計画電子申請システム(中小企業庁)
社会保険手続きの電子申請(日本年金機構)
保安ネット(経済産業省)
DX推進ポータル(経済産業省/IPA)
経営力向上計画申請プラットフォーム(経済産業省 ほか)
農林水産省共通申請サービス(農林水産省)
食品衛生申請等システム(厚生労働省)
e-Gov(総務省)
■ まだ取得していない場合は早めの準備を ━━━━━・・・・・‥‥‥………
GビズIDは「必要になってから」だと間に合わないケースがあります。
特にプライムは発行に時間がかかるため、補助金や行政手続の予定がある場合は前倒しが安全です。
日常的に手続を行う会社ほど、早めに社内で「どの認証方式を採用するか」も決めておくと
運用が安定します。
▼詳細はこちら
デジタル庁「GビズID」アカウント作成
https://gbiz-id.go.jp/top/
■ さいごに ━━━━━・・・・・‥‥‥………
GビズIDは補助金申請だけでなく、複数の行政手続に共通で使えるIDです。
取得・認証設定を整え、手続を止めない体制を早めに準備しましょう!
⇒【2026年4月号②】GビズID.pdf