相続が発生したらどうする?発生後の主な手続き

 

相続発生後の手続きは、思っているよりも大変です。
多くの手続きや資料収集を、定められた期限までに完了させる必要があります。

これらの手続きは、故人の死亡日、つまり相続発生日=相続開始日から始まります。

以下に、相続発生後に行うべき主な手続きとその期限、および専門家への相談について分かりやすくまとめます。

相続発生後の主な手続きと期限

 

死亡後すぐ(7日以内)

 

  • 医師から死亡診断書を受け取ります。
  • 市区町村役場へ死亡届を提出し、火葬許可証を申請します(一般的に葬儀社が代行)。
    死亡届のコピーを複数枚取っておくとよいです。
  • 勤務先に連絡し、退職手続きを行います(5日以内が目安)。
  • 火葬後、火葬場から埋葬許可証を受け取ります。

 

死亡後14日以内

 

  • 故人が世帯主であった場合、故人の住所地の市区町村役場へ世帯主変更届を提出します。
  • 国民健康保険や介護保険の資格喪失手続きを行います。
    これに併せて、葬祭費の申請も可能です。
    申請期限は、相続発生から2年以内になります。
  • 故人が年金受給者であった場合、国民年金資格喪失手続きを行います。
    未支給年金や遺族年金などの申請も検討し、請求期限(2年〜5年以内)に注意が必要です。

 

随時行う手続き

 

  • 電気、ガス、水道、NHK、電話回線などの公共料金や各種契約の名義変更・解約手続き(引落口座の変更)を行います。
  • 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類を返却(失効手続き)します。
  • 故人が不動産を所有していた場合、固定資産税・住民税の請求先変更手続きを行います。
    相続人の中の1人を代表者に指定する「相続人代表者指定届」を提出します。
  • 故人の銀行口座から引き落としがひと通り終われば、銀行口座の凍結手続きを行います。
  • 支払いが終わったらクレジットカードを解約します。

 

遺産相続の事前準備

 

  • 遺言書の有無を確認します。自宅だけでなく、公正役場や法務局でも調査が必要です。

    自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所による検認手続きが必要です。

    お亡くなりになった方の住所を管轄する家庭裁判所に、検認の申立を行います。

    もし開けてしまった場合、遺言の内容は無効にはなりませんが、5万円以下の過料に処される可能性があります。
  • 遺言書がない場合、戸籍調査を行って法定相続人を確定します。

    被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取得します。

    お亡くなりになった方の市区町村役場で、お亡くなりになった方の出生から死亡時までの戸籍を取ることができます。

    それを持って、お亡くなりになった方の住所を管轄する法務局に持って行き、法定相続情報を作成すれば、法定相続人を確定することができます。
  • 相続財産の調査を行います。不動産や預貯金などのプラスの資産だけでなく、借金や未払金などのマイナスの資産も含まれます。

 

死亡後3ヶ月以内

 

相続放棄または限定承認の申立てを行います。
プラスの財産よりマイナスの財産が多い場合は、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出します。
 

死亡後4ヶ月以内

 

故人が自営業者であった場合や、死亡した年に特別な事情がある場合、法定相続人が所得税の準確定申告を行います。

 

遺産分割の手続き(相続税申告期限までに)

 

  • 相続財産の相続税評価額を計算します。
    この計算は非常に難易度が高い作業であり、ミスは納税額に影響するため、専門家への相談が推奨されます。
  • 故人が、生命保険の被保険者であった場合、死亡保険金を請求します。
    請求期限は相続発生の翌日から3年以内である保険会社がほとんどです。
  • 法定相続人全員で遺産分割協議を行い、「誰が・何を・どれだけ取得するのか」を決めます。
    遺言書がある場合は不要です。
  • 遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書を作成し、署名・押印します。
    この書類は、財産の名義変更などに必要です。
  • 相続関係説明図(法定相続情報一覧図)を作成します。
    これは必須ではありませんが、名義変更手続きで戸籍謄本の原本還付を受けられるメリットがあります。
    相続直後の、法定相続人を確定させる段階で、作成することをお勧めします。
  • 取得した相続財産の名義変更解約手続きを行います(不動産、銀行口座、証券口座、自動車など)。

    特に不動産の相続登記は、令和6年4月1日から相続発生から3年以内の義務化が適用されます。

 

死亡後10ヶ月以内

 


 

相続税申告書を税務署に提出し、相続税を納税します。

相続税申告が必要なのは、課税遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の人数)を超える場合で、期限に遅れるとペナルティが課されます。

 

死亡後1年以内

 

遺言書の内容などにより、法定相続人の最低限認められた取得分である「遺留分」が侵害された場合、遺留分侵害額請求を行うことができます。

これには期限があり、死亡を知ったことと、遺留分侵害を知ったことの、両方を知った時点から1年以内が期限です。

また、上記の事実を知らないままだとしても、死亡から10年が経過した場合は請求権が消滅します。

 

まとめ

 

相続に関する手続きは、専門的な知識が必要で非常に複雑です。
「自分たちだけで手続きするのは心配…」という場合は、専門家である税理士に依頼することをおすすめします。
特に「相続税」の経験がある税理士を選ぶと良いでしょう。

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