相続税の申告を終え、「これで一安心」と思っていたところに、税務署から突然の連絡…
「相続税の内容についてお伺いしたいことがあります」と言われたら、誰しも不安になりますよね。
実は、相続税申告後に税務調査が入るケースは決して珍しくありません。
本コラムでは、税務調査が入りやすいケースやその理由、事前にできる対策まで、相続専門の税理士が分かりやすく解説します。
税務調査はどのくらいの確率で入るの?
まず知っておきたいのが、相続税における税務調査の実態です。
国税庁のデータによれば、相続税の申告があった案件のうち、
毎年およそ8〜10%程度に税務調査が実施されています。
つまり、10件に1件程度の割合で調査が入る計算です。
また、税務調査が行われた場合、8割以上のケースで何らかの申告漏れや修正が見つかっており、追徴税が発生しています。
このことからも、税務署は事前に「怪しい」と感じた案件を的確にピックアップして調査していることが分かります。
相続税の税務調査に入りやすい6つのケース

では、どのような相続に税務調査が入りやすいのでしょうか?
税務署が「不自然だ」「何か見落としがあるかもしれない」と感じる典型的なケースを6つ紹介します。
1. 預金の動きが不自然なケース
被相続人(亡くなった方)の預金が亡くなる直前に大きく減っている場合は、特に注意が必要です。
税務署は、「生前贈与を装って預金を引き出し、相続財産を少なく見せかけたのではないか」と疑います。
たとえば、死亡直前に数百万円〜数千万円が一括で引き出されていると、調査対象になりやすいです。
2. 申告内容と被相続人の生活実態が合わない
申告された相続財産に比べて、被相続人の生活レベルが高すぎる場合も要注意です。
たとえば、海外旅行を頻繁にしていた、複数の高級車を所有していた、豪華な自宅に住んでいた…など、収入や申告資産とつり合わない生活を送っていたと判断されると、「申告していない資産があるのでは?」と疑われやすくなります。
3. 現金の申告が少ない
実際にはタンス預金があったのに、それを申告していないケースも税務署は見逃しません。
税務署は、通帳の入出金履歴や光熱費の支払い状況、生活費の出どころなどから、現金の保有状況を把握しようとします。
被相続人が現金主義だったり、金融資産を持たない割に支出が多かったりすると、「申告漏れがあるのでは」と疑われます。

4. 家族名義の財産が多い
被相続人の財産を、家族の名義にしていた場合も要注意です。
たとえば、子ども名義の預金口座に毎年一定額ずつ入金していた場合、それが実質的には被相続人の財産と判断され、「名義預金」として相続財産に加算されることがあります。
5. 不動産の評価が極端に低い
相続財産の中でも特に難しいのが、不動産の評価です。
不動産の評価額は一定のルールに基づいて算出されますが、実勢価格との乖離が大きすぎたり、明らかに低すぎる評価をしている場合は、税務署から再評価を求められることがあります。
6. 税理士を付けずに自分で申告している
専門知識のない個人が相続税の申告を行うと、見落としや誤りが多くなる傾向にあります。
そのため、税務署は「自分で申告した案件」を重点的にチェックする傾向があると感じます。
特に、高額な財産を持つ被相続人の相続を自力で申告した場合、調査対象になりやすいのが実情です。
税務調査が行われる流れ
税務調査には、大きく分けて「実地調査」と「書面調査」の2種類があります。
実地調査とは?
税務署の担当者が、相続人の自宅や税理士事務所に訪問し、直接ヒアリングや書類確認を行う調査です。
事前に電話や文書で日程調整があり、通常は1日がかりで実施され、決着するまで数ヶ月かかります。
書面調査とは?
書面でのやり取りのみで完結する調査です。
簡易な確認事項が中心で、「この取引の詳細を教えてください」など、追加資料の提出を求められるケースが多いです。
税務調査を回避・安心して迎えるためにできる対策
税務調査を100%防ぐ方法はありませんが、次のような3つの対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることができます
1. 税理士に依頼する
信頼できる税理士に相続税申告を依頼することで、誤りや見落としを防ぎ、調査リスクを大きく軽減できます。
また、税理士がついていると、税務署側も「一定の専門家チェックが入っている」と認識するため、調査の優先度が下がる傾向があります。
2. 贈与の履歴を明確に残しておく
生前贈与をしていた場合は、その契約書や通帳のコピー、贈与税の申告書類などをきちんと保管しておきましょう。
贈与とみなされる可能性のある取引について、根拠資料がないと調査時に否認される恐れがあります
3. 現金や名義預金に注意する
現金を多く持っている場合は、その出どころや使い道を明確にしておくことが重要です。
また、子や孫名義の預金口座でも、実際には被相続人が管理していた場合は、相続財産として計上する必要があります。
【まとめ】正しい申告と準備が税務調査の最大の防御策
相続税の税務調査は、誰にでも起こりうる現実です。
ですが、「入りやすいケース」とその背景を知っておくことで、事前に備えることができます。
大切なのは、正しく・丁寧な申告を行うこと、そして専門家のサポートを受けることです。
相続税は一生に何度も経験するものではありません。少しでも不安がある方は、相続専門の税理士にご相談ください。
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